母乳だけでは足りない?上手なミルク追加の方法は?
2016/10/01
出産後、母乳育児を開始してしばらくの間は、母乳の分泌が少ないのはよくあることです。
誰もが、産後すぐから溢れるほどの母乳が出るわけではありません!
母乳を出すためには、赤ちゃんに何度も乳首を吸わせる「頻回授乳」が必要です。
「母乳育児が軌道に乗るには?」で書いたように、母乳が出なくでも乳首を吸わせるようにしましょう。
もし、頻回授乳を行っても母乳量が増えていかない場合や、母乳の飲み方が下手な赤ちゃん、ママ一人で外出する場合など、ミルクを飲ませることがあるかもしれません。
しかし、哺乳瓶でミルクを与えることは、母乳の出を悪くする原因となりますので注意が必要です。
今回は、完母を目指すママに知ってほしい「上手なミルクの足し方」についてご紹介していきます。
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本当に母乳が足りていないの?
母乳育児に慣れないうちは「赤ちゃんに母乳が足りているのか」不安になりますよね?
実は、授乳中によくみられる赤ちゃんからのこんなサインは、母乳不足とは別のところに原因があるのですよ!
★授乳間隔が開かない
月齢の低い赤ちゃんは、頻繁に母乳を欲しがります。
「さっき母乳をあげたばかりなのに!」「もうお腹すいたの?」と困惑するママもいらっしゃるでしょう。
授乳後すぐに泣かれると「母乳が足りていないのではないか」と母乳不足を感じてしまうことになります。
しかし「母乳を与える」ことは「赤ちゃんの空腹を満たすだけのもの」ではありません。
授乳というのは、ママに甘えたい、抱かれたい、安心したい、眠たい、など赤ちゃんに精神的な安心感を与える役割もあります。
「おしゃぶり」があるように、赤ちゃんは乳首をくわえていると安心するのです。
うちの子供たちは、2歳過ぎまで授乳をしていましたが、子供が泣いたり怒ったり、精神的にダメージを受けると、すぐに私の膝の上に来て「パイパイちょうだい!」と言ってきました。
2歳も過ぎれば、しっかりご飯が食べられる年齢ですから、空腹で母乳を求めているのではありません。
自分の気持ちの整理をしたいだけなのです。
生まれたての赤ちゃんにとっては尚のこと、母乳は最高の「精神安定剤」なのです。
授乳間隔が開かないことは、母乳不足のせいとは言い切れません。
★授乳が終わっても泣き止まない
月齢の小さい赤ちゃんは、母乳を一気に飲むことができません。
休み休み、時にはウトウト眠りながら、時間をかけて母乳を飲んでいます。
自分のペースで母乳の飲んでいる赤ちゃんに対し、ママが「もう授乳タイムはおしまい!「眠ったからベッドに置こう」と思って授乳を止めてしまうと、当然赤ちゃんは泣きます。
母乳が出ていないのではなく、まだ飲んでいたいだけなのです。
★赤ちゃんが寝ない
赤ちゃんに昼夜の区別が付き、夜にまとまって(それでも3時間くらい?)眠るようになるのは、生後1カ月以降です。
そのため、夜になると目がぱっちりしてくる宵っ張りの赤ちゃんや、昼寝をほとんどせず起きている赤ちゃんはたくさんいます。
うちの子供たちも月齢が小さい頃、昼間ほとんど寝なかったので「赤ちゃんってこんなに寝ないものなんだ!」と驚いたことを覚えています。
実は「眠る」ということにも体力が必要なので、小さいうちは「長い時間眠る体力」がないからだそうです。
赤ちゃんが寝ないのは、母乳が足りないからとは言い切れないのです。
★体重の増加が悪い
母乳育児の場合、赤ちゃんの哺乳量を測ることはできません。
そのため、母乳が足りているかどうかを知る大きな気がかりは「赤ちゃんの体重」になります。
一般的に「赤ちゃんの体重は1日30グラム増加するように」と言われますが、体重の増え方にも個性があります。
大人だって「痩せの大食い」がいるくらいですから、飲んだ母乳の量が、そのまま体重増加に繋がらない赤ちゃんもいます。
私も第一子のとき、体重の増加が悪くて、乳児1カ月検診で「ミルクを足しなさい」と指導されたほどです。
乳児健診で、まるまる太った赤ちゃんを見ると「うちの子が小さくて痩せているのは、母乳が足りないからだ」と思い、自己嫌悪になったこともあります。
しかし今となれば、体重が何キロかということよりも、その子なりに少しずつでも右肩上がりに体重が増えていれば問題がないとわかります。
そして「赤ちゃんの機嫌がよく、元気かどうか」「おしっこやうんちがしっかり出ているか」などトータルで見ていく必要があります。
体重の増加が一般的な目安より少なくても、母乳不足とは言い切れないのです。
★搾乳しても出てこない
赤ちゃんが乳首を吸ってから母乳が作られる「差し乳」の場合、搾乳しても母乳はほとんど出て来ません。
つまり、搾乳した母乳の量は、実際に赤ちゃんが飲んでいる母乳の量ではないのです。
搾乳して出てこないからと言って、母乳が出ていないわけではありません。
★赤ちゃんが乳首を離す、吸い付かない
赤ちゃんが乳首を離したり、嫌がって吸い付かないときは「母乳が出過ぎている」ことが考えられます。
赤ちゃんは、母乳が出過ぎて苦しいときやお腹がいっぱいなときは、授乳を嫌がるのです。
もしくは「母乳の味が悪い・美味しくない」という場合です。
(「授乳中に赤ちゃんが泣くのは母乳の出過ぎ!?」に関連記事を書いています。)
以上のような赤ちゃんの様子は、母乳が足りないせいではなく、何かほかのところに原因があるのです。
何でもかんでも「母乳不足のせい」にしないで下さいね。
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母乳が足りないのはどんなとき?
では、「本当に」母乳が足りないのは、どんなときでしょうか?
「母乳が足りない=栄養不足&水分不足」に繋がりますので注意して下さいね。
★赤ちゃんのおしっこの回数が少ない
1日7~8回おしっこをしていれば、母乳が足りていると考えられます。
これよりもおしっこの回数が少なかったり、色の濃いおしっこが出ているときは「脱水症状」の可能性がありますので、母乳が足りていないことが考えられます。
★体重が減る
赤ちゃんの体重の増加が緩やかであっても、右肩上がりに増えていれば母乳は足りています。
しかし、1週間くらい全く体重が増えない、もしくは体重が減っている、という場合は母乳不足が考えられます。
★元気がない
赤ちゃんには、機嫌のいい時と悪い時があります。
たとえ赤ちゃんの機嫌が悪く一日中愚図っていても、泣き声に元気があり、肌ツヤがよければ、母乳は足りています。
しかし、泣き声に元気がなく弱々しくなったり、顔白が悪かったり、母乳も飲まずに一日中ウトウトしているようであれば、脱水や栄養不足が考えられます。
母乳育児中にミルクを足す時に気を付けることは?
もし、本当に母乳が足りなくてミルクを追加するのであれば、次のことに気を付けて下さい。
★母乳をあげてからミルクを追加する
ミルクを先にあげてしまうと、赤ちゃんはお腹がいっぱいになり、母乳を飲んでくれなくなります。
母乳量を増やすためには、何度も乳首を吸ってもらう必要があります。
必ず、母乳を先に吸わせてからミルクをあげて下さい。
★一日に与えるミルクの回数を最小限にする
赤ちゃんの月齢に合わせた一日に必要なミルクの量を、「一回の授乳量を多くし、与える回数を最小限」にします。
例えば、一日100cc与える場合、「50cc×2回」ではなく「100cc×1回」の方がいいということです。
そして、ミルクとミルクの間に、何度も母乳を吸わせるようにしましょう。
★ミルクを足すのは午後~夕方がベスト
日中の疲れが出やすい夕方は、母乳の出が悪くなりがちです。
午後から夕方にミルクを足すといいでしょう。
母乳は夜間に作られますので、できるだけ夜間の授乳は継続し、朝~午前中にかけてはなるべくミルクを追加しないようにしましょう。
母乳育児中の上手なミルクの取り入れ方は?
完母でやっていくためには、ミルク(哺乳瓶)を出来る限り使わない方がいいと思います。
しかし、母乳育児が軌道に乗るまでの「期間限定」で上手にミルクを取り入れる方法もあります。
例えば、
・「どうしてもゆっくり寝たい日限定」とか「ママがゆっくり体を休めたい日限定」など、身体を休めるために一時的にミルクを活用する
・「母乳が足りない」という不安を取り除くために活用する
・赤ちゃんに母乳を飲む体力がつくまでの低月齢の間だけ活用する
という使い方もできます。
ミルクを足すことで、母乳育児へのプレッシャーから解放されたり、赤ちゃんの体重を心配せずに済むのであれば、その精神的な効果によって、結果的に母乳の分泌がよくなっていく可能性はあります。
一時的に、そして補助的にミルクを追加することで、最終的に母乳育児がうまくいくのであれば、ミルクを活用するのもアリですね。
まとめ
母乳育児を行っているママ達の最大の悩みは「母乳が出ない」ということ。
しかし、これは思い込みの部分が大きく「実は母乳は足りている」「完母でやっていける」という人は多いのです!
産まれたばかりの赤ちゃんは「何を訴えているのか」「なんで泣いているのか」「何をして欲しいのか」さっぱりわかりませんよね?
赤ちゃんが泣くだけで、オロオロしてしまうママもたくさんいらっしゃるでしょう。
そして「赤ちゃんが泣いている」→「原因がわからない」→「母乳が足りないのではないか」という考えに陥ってしまうのです。
母乳育児は、体も疲れますし、寝不足にもなります。
食事にも気を付けたり、乳腺炎で高熱に見舞われたり、いろいろなトラブルが起こります。
「たまには息抜きしたいな」「最近、疲れが溜まっているな」と感じ、その解決策が「ミルク」なのであれば、ミルクを使ってもいいと思いますよ!
その代り「ミルクの前には母乳を吸わせる」ことを忘れずに行ってくださいね!
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